【保存版】初めての要件定義:ヒアリング質問テンプレート10選
「結局、何を作ればいいのか?」を最短で言語化する――
それが要件定義フェーズ最大の目的です。では、初対面のクライアントに どんな質問 を投げれば“ズレない仕様書”へたどり着けるのでしょうか。
1. 要件定義ヒアリングの全体像
- ビジネスゴールを理解する
- ユーザー像と利用シーンを描く
- 機能/非機能/制約を漏れなく洗い出す
- 優先順位と受け入れ基準を整理する
この流れを外すと、後工程(設計・開発)で「そもそも前提が違った…」と手戻りが発生。
良い質問は、後のすべてのコストを下げる投資 だと覚えておきましょう。
2. ヒアリング前に準備する 3 つのチェックポイント
チェック | 具体アクション |
---|---|
対象業務の流れ | 事前に現行業務フロー(AS-IS)を手に入れる/作成する |
関係者マップ | 決裁者・利用者・システム管理者をイニシャルで書き出す |
既存システム/資料 | 画面キャプチャ・ER図・契約書など過去ドキュメントを収集 |
3. “鉄板” 質問テンプレート 10 選
# | カテゴリー | 質問例 | 補足/フォローアップ |
---|---|---|---|
Q1 | ビジネスゴール | 「今回のシステムで“何が変われば成功”だと言えますか?」 | KPI 数値・期間を聞くと測定基準が明確に |
Q2 | 現状課題 | 「現在の業務で最も困っているポイントを 3 つ教えて下さい」 | 痛みの大きさ=優先順位/投資対効果の指標 |
Q3 | ユーザー像 | 「主な利用者は誰で、一日の利用シーンをステップで説明すると?」 | ペルソナ+タイムラインで具体化 |
Q4 | 必須機能 | 「“MUST” と “WANT” を分けると、最小構成は何になりますか?」 | MoSCoW/WSJF など優先フレームに落とし込む |
Q5 | 非機能(性能) | 「ピーク時の同時アクセスと許容レスポンス時間は?」 | 規模見積り&インフラ選定の基礎データ |
Q6 | 非機能(セキュリティ) | 「取り扱うデータの機密性ランクと求める認証方式は?」 | 個人情報/機微データの有無を明確化 |
Q7 | システム連携 | 「他システムとの入出力データ形式・タイミングは?」 | CSV・API・Webhook など I/F を早めに特定 |
Q8 | 法規制/制約 | 「業界ガイドラインや社内規定で守るべきルールはありますか?」 | 電子帳簿保存法・GDPR など後出しを防止 |
Q9 | 移行/リリース | 「いつ、どの業務から切り替えますか?並行運用は必要ですか?」 | データ移行計画・トレーニング計画と連動 |
Q10 | 受け入れ基準 | 「テスト合格の判断は誰が、何を根拠に行いますか?」 | UAT シナリオと KPI の“ゴールテープ”を定義 |
4. テンプレート活用ステップ
- 質問リストを案件用にカスタマイズ
– 上の 10 質問を Google ドキュメントや Notion にコピーして補足欄を追加 - ヒアリングメモを“その場で”整理
– 口頭回答はリアルタイムでモザイク図(Miro など)に反映し全員で確認 - 24 時間以内にサマリ資料を共有
– 誤解の芽を早期に摘む。議事録は質問番号をキーに紐付けると読み返しやすい
5. よくある落とし穴 & 回避策
落とし穴 | ありがちパターン | 回避策 |
---|---|---|
要件の“決め手”が存在しない | 決裁者が不在、発言権が分散 | RACI を先に作り「最終 Yes/No」を誰が出すか固定 |
要件が“膨張”していく | 初回ヒアリングがアイデア会議化 | “MUST/WANT” ラベルをリアルタイムで貼り、時間を区切る |
複数部門で回答が食い違う | 部門毎に前提が異なる | クロス部門ワークショップを設け、As-Is→To-Be を合意形成 |
6. まとめ:質問リストは“生き物”として育てる
- 案件ごとに加除修正 → ナレッジ化
- 回答例や失敗事例を脚注として追記
- Slack #downloads に最新版を常時アップ(←PMBASE コミュニティで実施中)
🚀 今日のアクション
- 上記 10 質問をコピペして自案件ヒアリングシートを作成
- 関係者マップを描いて“誰に何を聞くか”を当てはめる
- 初回ヒアリングを 30 分 × 2 セッションでブッキング
良い質問が、良い仕様書の 80% を決める。
PMBASE のテンプレートで、あなたの要件定義を“最短・最小ストレス”で仕上げましょう!
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